このたび、日本神経放射線学会の第2代理事長を拝命いたしました。長い歴史と伝統を有する本学会の理事長という重責を担うこととなり、大変光栄に存じますとともに、本学会のさらなる発展のため微力ながら尽力してまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。
神経放射線学は、脳・脊髄を中心とする神経系の画像診断、画像下治療(IVR)、放射線治療を扱う学問分野であり、神経疾患の診断と治療において極めて重要な役割を担っています。脳は人体の中でも最も複雑で高度な機能を有する臓器であり、その疾患も脳血管障害、腫瘍、変性疾患、炎症性疾患、感染症、免疫疾患、代謝性疾患、外傷、先天奇形など多岐にわたります。神経放射線医学は、画像を通してこれら多様な疾患の病態を理解し、診断および治療に貢献する学際的な学問領域です。
本学会は、放射線科医のみならず、脳神経外科医、脳神経内科医、小児科医など多様な専門領域の医師によって構成されている点に大きな特色があります。このように複数の専門分野の医師が一体となって神経放射線学を発展させている学会は、世界的に見ても非常にユニークな存在です。それぞれの専門分野の視点を持ち寄り、診断・治療・研究の面で議論を深めることにより、本学会は神経疾患の理解と医療の質向上に大きく貢献してきました。今後も、放射線科、脳神経外科、脳神経内科をはじめとする関連領域との連携をさらに深め、学際的な協働を一層推進してまいります。
近年、神経放射線学を取り巻く環境は大きく変化しています。MRIやCTなどの画像装置や撮像技術の進歩に加え、人工知能(AI)やデータサイエンスの発展により、画像解析や診断支援の新たな可能性が広がっています。また、血管内治療デバイスや高精度放射線治療など、治療分野においても急速な技術革新が進んでいます。こうした時代の変化の中で、本学会としてもAI・データサイエンス・先端画像技術の臨床応用を積極的に推進し、神経疾患の診断および治療の質をさらに高めていくことが重要です。
さらに今後は、若手研究者・臨床医の育成を強化するとともに、国際学会との連携を一層深め、日本発の神経放射線医学の知見を世界に発信していく必要があります。こうした取り組みを通じて、本学会の役割を改めて見つめ直し、神経放射線学の発展を牽引する学術基盤として、学会を次世代型へと発展させていきたいと考えております。
本学会は、これまで諸先輩方の多大なご尽力により発展してまいりました。その歴史と伝統を大切にしながら、新しい時代にふさわしい学会の姿を築いていくことが私たちの使命です。会員の皆様のご支援とご協力を賜りながら、本学会のさらなる発展に努めてまいります。
一般社団法人 日本神経放射線学会
理事長 平井 俊範
